●キハダ基本情報
樹皮はコルク質で、寒い地方ほど厚くなっています。コルクの内側には皮部があり、厚く鮮黄色をしています。
この樹皮からコルク質を取り除いて乾燥させたものは、生薬の黄檗(黄柏)として知られ、薬用のほか染料の材料としても用いられます。
キハダの内皮は古くから黄色染料として用いられていたみたいです。
キハダの種類には、日本産のオオバノキハダ、ヒロハキハダ、ミヤマキハダがありますが、中国にはシナキハダ、タイワンキハダがあります。
●染料としてのキハダ
キハダは、黄蘗色(きはだいろ)とよばれる鮮やかな黄色の染料で、黄色に染め上げる以外に赤や緑色の下染めにも利用されています。
中でも、紅花を用いた染物の下染めに用いられるのが代表的で、紅花特有の鮮紅色を一層引き立てるのに役立っています。
●キハダの効果
~消化を促進する効果~
キハダの生薬である黄柏(おうはく)は、すぐれた苦味健胃整腸剤として利用されてきました。黄柏は唾液、胃液、すい臓、胆汁の分泌を促進して、食欲を高め、消化を助けるといわれています。
~下痢を改善する効果~
腸内殺菌作用をもつため、腸内における発酵異常による腹痛や下痢に対しても、改善が期待され、急性腸炎などにも有効といわれています。
~炎症を抑制する効果~
キハダの生薬である黄柏は、外用消炎薬としても用いられています。 打撲傷には、黄柏の粉末に食酢を加えよく練り、患部に直接塗ってガーゼを当てると良いとされています。 また、関節リウマチや腰痛といった症状に対しては湿布薬や入浴剤として利用されています。 熱を鎮める働きがあるため、火傷にも効果的であるといわれています。
●黄柏の煎じ方・使い方
黄柏(おうばく/キハダ)を煎じる場合の分量 2~3グラムを目安に、水600mlに入れてふっとうするまで強火、沸騰してからは中火~弱火、量が半分くらいになるまで(少なくとも30分程度)煎じてください。
煎じたものが1日分になるので、茶こしやガーゼなどでこしたものを2~3回に分けて飲むようにしてください。
※煎じる量はあくまで目安なので、目的によって異なる場合があります。